前の記事では、ものをどんどん小さくしていくと、見えている形がすべてではないこと、そして見えなくなっても無くなったとは言えないことがわかってきました。
では、その「小さな単位」は、どこまで小さくなるのでしょうか。
「これ以上分けられない」と思われていた原子
原子(げんし)という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
原子は、すべての物をつくっているとても小さな存在として紹介されます。
長いあいだ人は「原子こそ、これ以上小さくできない最小のもの」だと考えていました。
実際、「原子」という名前には「これ以上分けられない」という意味があります。
でも、原子は終わりではありませんでした
ところが、原子をくわしく調べていくと、意外なことがわかってきました。
原子の中には、原子核と電子といった、さらに小さな存在があったのです。つまり、原子もまた、いくつかの要素が集まってできていたということになります。
「最小だと思っていたものの中に、さらに中身があった」。これは、人にとって大きな発見でした。
どんどん小さくしていくと、見えなくなる
原子よりも小さい世界を考えるとき、ひとつ困ったことが起こります。
目で見ることができない、さわることができない、形を確かめることができない、ということです。
あまりにも小さすぎて、私たちの感覚では直接とらえられなくなってしまうのです。
見えない=無い、ではありません
ここで、とても大切なことがあります。
それは、見えないからといって、無いとは限らないということです。
風は見えませんが、木の葉がゆれたり、肌にふれたりすることで、そこにあると分かります。
原子よりも小さい世界も、それと少し似ています。
「ふるまい」から、存在を知る
原子よりも小さい世界は、直接見ることはできません。
けれど人は、実験をして、結果を比べて、何度も確かめるという方法で、その世界を調べてきました。
すると、いつも同じような結果が出る、予想と違う動きが現れる、といったことがくり返し確かめられていきました。
そこから「見えないけれど、何かがある」と考えられるようになったのです。
原子より小さい世界では、少し様子が違う
原子よりも小さい世界では、「ここにある」「これが原因」「これが結果」といった、私たちが普段当たり前のように使っている考え方が、そのまま通じないことがあります。
でもそれは、世界が不安定だからでも、おかしな世界だからでもありません。
ただ、私たちが慣れてきた見方とは、少し違うだけなのです。
ここから「量子」という考え方が出てきます
原子よりも小さい世界を説明するために、人は新しい考え方を使うようになりました。それが「量子(りょうし)」と呼ばれる考え方です
量子とは、原子よりも小さい世界でどんな動きや変化が起きているのかを、できるだけ正確に表そうとしたひとつの考え方です。
まとめ:この記事でわかったこと
- 原子は最小ではなかった
- 原子よりも小さい世界(素粒子)がある
- 見えないからといって、無いとは言えない
- その世界は、私たちの感覚とは少し違うルールで動いている
次の記事では、いよいよその世界を表す言葉「量子って、なに?」について、もう少しだけ近くから見ていきます。

