日本で広まった「スピ系」と、本来のスピリチュアルはどう違う?

前の章まで、量子、波、周波数、そして「波動」という言葉について見てきました。

調べていく中で見えてきたのは、もともと科学の中で使われていた言葉が、日常の中では、少し違った意味に広がっていくことがある、ということでした。

ここからは、少し視点を変えて、

「スピリチュアル」という言葉そのもの

について考えてみたいと思います。

「スピリチュアル」と聞いて、何を思い浮かべますか?

「スピリチュアル」と聞いて、どのようにイメージしますか。

占い
オーラ
パワーストーン
引き寄せの法則
霊的な世界
波動
龍………

日本で「スピリチュアル」や「スピ系」という言葉が使われるとき、こうしたものをイメージする人も多いのではないでしょうか。

ただ、日本で使われる「スピリチュアル」は、占いや霊的な世界だけを指しているわけではないように思います。

宇宙、波動、エネルギー、直感、魂、シンクロニシティなど、目には見えないものだけでなく、うまく言葉にしにくい感覚や、不思議だと感じる体験まで、かなり幅広く「スピリチュアル」という言葉の中に含めて使われています。

だからこそ、「スピリチュアル」とひとことで言っても、何を指しているのかが、人によってかなり違うのかもしれません。

私自身も、以前は「スピリチュアル」と聞くと、こうした目に見えない世界の話をイメージしていました。

でも、調べていくうちに、少し疑問が出てたのです。

そもそも「スピリチュアル」という言葉は、本当にそれだけを意味する言葉なのでしょうか。

「spiritual」は、もっと広い意味を持つ言葉

英語の spiritual は、もともと「精神の」「霊的な」「宗教的な」といった意味を持つ言葉です。

その歴史は古く、英語では中世から、精神や魂、宗教に関わることを表す言葉として使われてきました。

現在使われている spirituality という言葉も、意味はひとつではありません。

宗教的な信仰を指すこともあれば、

人生の意味を考えること。
自分自身の内面と向き合うこと。
自分より大きなものとのつながりを感じること。
何を大切にして生きるのかを考えること。

といった、より広い意味で使われることもあります。

つまり、「スピリチュアル」は、

占いや超自然的な現象だけを指す言葉ではない

ということです。

ここは、私自身も調べてみて、かなり印象が変わったところでした。

日本でいう「スピ系」は、スピリチュアルの一部分

では、日本でよく聞く「スピ系」は何なのでしょうか。

日本では、1970年代以降のオカルトブームや、その後のテレビ、雑誌、書籍、インターネットなどを通して、

霊的な世界
占い
超能力
パワースポット
癒やし
引き寄せ

といったものが、大衆文化の中で広く紹介されてきました。

そして2000年代には、日本で「スピリチュアル・ブーム」と呼ばれる現象も起きています。

そうした流れの中で、日本では「スピリチュアル」という言葉と、目に見えない力や不思議な現象のイメージが、強く結びついていったと考えられます。

ただ、ここで大切なのは、

日本でいう「スピ系」が間違っている、という話ではない

ということです。

「スピ系」と呼ばれているものは、スピリチュアルという大きな概念の中の、ひとつの使われ方と考えた方がわかりやすいのかもしれません。

「スピリチュアル=不思議なもの」ではなかった

私が一番興味深いと思ったのは、ここです。

日本では、

スピリチュアル=目に見えないもの、不思議なもの

という印象がかなり強くあります。

ところが、英語圏で使われる spiritualspirituality を見てみると、それだけではありません。

宗教や信仰に関わる場合もあれば、

「自分は何を大切にして生きたいのか」

「人生にどんな意味を感じているのか」

「自分と他者、社会、自然とのつながりをどう感じるのか」

といった、人間の内面や価値観に関わる話にも使われています。

「本来のスピリチュアル」とは何だろう

ここで少し注意したいことがあります。

「では、本来のスピリチュアルとは、内面を見つめることなのですね」

と、ひとつの答えに決めてしまうのも、少し違うようです。

スピリチュアルという言葉は、長い歴史の中でさまざまな意味で使われてきました。

宗教と深く結びついていた時代もありますし、現代では宗教とは距離を置きながら、自分自身の精神性を大切にする人もいます。

ですから、

「これだけが本来のスピリチュアルです」

とひとつに決めるよりも、

私たちが日本で「スピリチュアル」と呼んでいるものは、この言葉が持つ意味の一部分なのかもしれない

と考える方が、実際の姿に近そうです。

言葉を知ると、見え方が変わる

私は今回、「スピリチュアル」という言葉を調べてみて、

もしかすると、私たちはこの言葉を、かなり狭い意味で受け取っていたのかもしれない

と感じました。

占いや不思議な現象を信じるか、信じないか。

それだけで「スピリチュアル」を考える必要はないのかもしれません。

自分は何を大切にしているのか。

どう生きたいのか。

何に心を動かされるのか。

自分以外の人や、自然、世界と、どう関わっていきたいのか。

こうした問いも、spirituality という言葉の中で考えられてきたテーマです。

そう考えると、「スピリチュアル」という言葉が、少し違って見えてきませんか。

まとめ:この記事でわかったこと

  • 「spiritual」は、精神・霊・宗教などに関わる、古くから使われてきた言葉
  • 現代の「spirituality」は、宗教だけでなく、人生の意味や価値、内面との向き合い方など、幅広い意味で使われている
  • 日本では、オカルトブームやメディアなどを通して、「スピリチュアル」と不思議な力や目に見えない世界のイメージが強く結びついてきた
  • 日本でいう「スピ系」は、スピリチュアルという大きな概念のひとつの表れとして見ることができる
  • 「本来のスピリチュアル」をひとつに決めるより、言葉が持っている広い意味を知ることが大切

そして、ここからがさらに興味深いところです。

私が「スピリチュアル」という言葉について調べる中で、とても驚いたことがありました。

イングランドでは、“spiritual development” という言葉が、学校教育の中にも実際に登場します。

もちろん、日本でいう「スピ系」を学校で教えているわけではありません。

では、学校教育の中でいう「spiritual」とは、いったい何を意味しているのでしょうか。

次の記事では、そこからもう少し「スピリチュアル」という言葉の意味を探ってみたいと思います。

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